Entrance Part2

だらだらダイアリー。心を解き放て

睡眠障害で睡眠ポリグラフィー検査というやつを受けて、その感想

僕はここ一年くらい睡眠障害に悩まされてきた。ちょうどその頃うつ病もやっていたから、併発したものなのか、あまりよくわからないけれどとりあえず今は過眠で眠すぎてしまう。不眠に比べると大したことがないような気もするが、いつもだるいし、何より昼に起きてしまうと生活がままならない。それが続いているものだから、いろんなことが辛くなっている。

それを治療するのに、はじめこそ近所の心療内科でうつ病の治療と同時にやっていて、地方の国立病院(青少年の治療についての専門知識があるという)に移動してからもうまくいかず、担当医の転勤でまた近所の心療内科に戻ってきた頃には「精神状態は概ね改善されたが睡眠がうまくいっていない」という状態だった。僕は同級生と同時に受験ができなかったことに焦っていて、睡眠がうまくいかないことで、また気が参ってしまうという悪いループに陥っていた。

そこで睡眠外来に通うことにした。今はそれで大学病院に通っていて、今書いているのはその記録です。

 

睡眠ポリグラフ検査(PSG)とは

PSGは睡眠状態と、睡眠に関連した行動や生体現象を同時にかつ経時的に評価する検査です。
測定する項目は以下のようなものですが、痛みを伴う検査ではありません。通常の就床時間に合わせて検査を行いますので1泊入院となります。

終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)とは | 医療法人仁祐会 小鳥居諫早病院

測定する項目は以下のようなもの

  • 脳波
  • 呼吸
  • 四肢の運動
  • あごの運動
  • 眼球運動
  • 心電図
  • 酸素飽和度
  • 胸壁の運動
  • 腹壁の運動
  • 体位、体動
  • 血圧

睡眠ポリグラフ検査 - Wikipedia

 

まあ簡単にいってしまえば、検査室に一泊していろんなことを測定する検査だ。上記一つ一つのデータが出れば、睡眠障害を引き起こす症状を探れるということ。

 

レポ

受けてみようかな、という人のために簡単にレポートしておく。僕の場合、数ヶ月前から検査の日程が決まって、その間に入院についての説明などを精神病棟の看護師さんから受けた。入院といっても、実際に一泊するのは「検査室」であり、精神病棟には初日の日中、また検査後の朝方いることになる。

まずはじゃあ、検査までの通院で何をやったかを思い出せる範囲で書く。僕はあくまで睡眠外来の一環としてポリグラフィー検査を受けたから、それまでの通院でいくつかやらなきゃならなかったことがあったのです。ちょっと書くの面倒くさくなってきたから箇条書き。もう一度言うけど思い出せる範囲なので、抜け落ちてるのがわかったら書き足します…。

  • 採血センターで採血
  • 放射線棟でMRI撮影

あれこんなもんだっけ…

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検査当日

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仕方ないのでここからは検査当日にやったことを書くね。検査当日はわりにいろんなことをする。まずは精神病棟で部屋を案内してもらって、そのあと検査ツアーに出発。

  • 生理検査室で心電図をとる
  • また採血センターで採血
  • 放射線部でレントゲン撮影

それぞれまあまあ待ち時間があるものだから、それなりに時間はかかる。ただこれさえ終えてしまえば夜の検査までずっと暇なので、部屋で本でも持ち込んで読んでいればいい。楽しいことはそれくらい。ここにきて思い出したのだけど、そういえば僕は当日手帳に日記を書いていた。音や匂いで病院に来ていると言う感じがするとか、何年かぶりに病院食を食ってそう美味しくなかったとか、飯食いながらKindleで読んだ漫画が面白いとか、そう言うことばかり書いてあったんだけど、ちょっと面白いことを思い出した。

検査の30分ほど前(夜の検査は病棟から検査室に移動する必要がある)に洗面所へ出て歯磨きをしていると、ひとりの男性に「こんばんは」と話しかけられた。勝手に自己紹介を始めたのち、「僕はね、1日が48時間なんだよね。活動限界に決まった周期があって、今日はダメな日、明日は調子がいい日なの。でも誰も信じてくれやしない」とその男性は話した。僕はその、「誰も信じてくれない」というところをすごく鮮明に覚えていて、男性の悲しげなトーンや、まるで「今日はダメな日なんだよね」と話したげな丸まった背中を今でもよく思い出せる。

僕も今自分がどういった状況であるのか、何が一番悩ましいのか、そんな適当な話をした。すると男性が「僕が記憶に残っている本でこんな本があってね…」と話し出した。おいおいオイオイ、検査まで10分なのに…。その話はこんな話だったんだけど「いろんな夢はあるだろうが、食ってかなきゃいけない」「最終的な着地点は食っていくこと」「食っていくんだ少年」うう、、わかりました…。。。「ごめんなさい、検査の時間が近いんです」と切り出したら、最後にタイトルを教えてくれた。『この世で一番大事な「カネ」の話』だと言う。あ、知ってる、「知ってますそれ。こう言う表紙ですよね?」と思わずいってしまって、また少し検査までの時間が縮まってしまった。最終的に病棟に呼び出しの電話がかかって来て看護師さんがニコニコしながら「◯◯君、至急だって!至急って言われちゃった!」と急かしてきた。ごめんなさい。

この話のすごいのは後日談になるんだけど、検査を終えて家に帰るとアマゾンの封筒で本が一冊届いていて、開けてみると例の本と同じタイトルのものだった。本当に偶然、父親が購入したものらしい。すごい!多分何かのご縁なので、そのうち読みます。

 

検査室にて

急いで検査室に向かうと、看護師さんが待ち構えていて、早口でいろんなことを説明された。検査室に案内され、入るとそこは10畳くらいの広さがある部屋だった。あるのは簡易的な棚とベッド、そしてその枕元にいくつかのぬいぐるみ、ベッドの正面にはテーブルの上に置かれたラップトップ、上を向くとカメラが天井に備え付けられていた。

僕はベッドに座って、看護師さんはひたすら僕の顔面だとか手足だとか、何かを測れそうと思い当たる全ての箇所に何やら線をくっつけていった。顔は簡単に取れてしまうらしく、あみあみのネットを被せられた。「はい、かぶせますねー」「うぉっ、、」パンスト相撲状態。宴会芸だったら80パーセントの出来といったところやね。ちょっと早く普通の顔にしてください…。途中から笑いがこみ上げて来て、すかさず看護師さんが「はい、すぐに切っていきますね」とハサミを手にした。怖い。目にハサミが近づいてくる怖い。き、切ってる怖い。あっ反対も!怖い。今度は口!怖い。

怖かった。顔だけで何本もの線が伸びていて、手足からはその2、3倍の数の線が伸びていた。胸部、腹部にはバンドが取り付けられて、そこからも線が伸びていた。そしてその大量の線はベッドの上の一つの機会に集約されていて、寝返りを打つたびにそいつがごそごそいうもんだからとても気になってしまった。

 

寝る前にSITという検査を受ける

今更だけど、僕の一つの症状として「脚がムズムズする」というのがあって、それを調べるためにひとつ別の検査をする必要があったのだよね。SITは Suggested Immobilization Test の略称で、まあとにかく脚の不快度をチェックするもの。

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ベッド上の座イスに足をまっすぐ伸ばした状態で、1時間お過ごしいただきます。1時間の間、下肢の不快感が出現しても、動かしたり、手でさすったりしないでください。10分ごとに下肢の不快感の強さを記録紙に記入いただきます。

検査のご紹介 | 睡眠総合ケアクリニック代々木

1時間の間、5分おきにシャトルランみたいな合図が鳴って、その度に手元のチェック表に不快度を記入。また5分たったら記入。これ、他にすることがなくてすごく退屈する。ペンを回してみたり、ボードのクリップ部分を延々とパカパカしていた。

 

入眠

この検査の一番の仕事は眠ることなので、ここからは意地でも眠らなきゃならない。体から伸びる線が面倒でも仕方ない。僕は普段、いわゆる胎児型の寝相をとる。そのほうがリラックスできるのだ。ただ今日はそういうわけにもいかない。いかんせん線が邪魔だから。仰向けのまま、眠気を待つ。多分入眠まで30分ほどだったと思う。

夜中、検査室の扉が開いて、廊下の光が真っ暗な部屋に差し込んで来た。どのタイミングで目を覚ましたのかはよく覚えていないけれど、入ってくる瞬間の光景を覚えているから、その数分前には起きていたのかもしれない。看護師さんが入って来て、腹部のバンドが緩んでしまったからうまくデータが取れていないと言う。すぐに直して外へ行ってしまった。また部屋が真っ暗になる。もう一度寝なくてはならない。

次に目を覚ましたのは早朝の5時ごろだった。検査の予定では午前6時に起きることになっていた。起床時刻までの1時間、本当は寝ていたかったけれど、今度こそ眠り直せなかった。6時になってすぐ看護師さんが入って来て、「あんまり眠れてないよね」「いつもと環境が違うから難しいよね」みたいな事を言った。別室で睡眠の状況がグラフで確認できているのだと思う。普段と違うから眠れない、その通りなんだけど、それで正しいデータが出るのかしら…と思ってしまう。

 

結果

僕はしばらく前からこの検査に、そしてその結果に期待していて、これで原因がわかったらそのあとはのびのび前に進めるだろうと考えていた。受験勉強に本腰を入れるにはいささか遅すぎるが、長いスパンで考えたら仕方のないことだろう、と。

でも結局、検査では大したことがわからなかった。というか逆に「概ね健康である」ことがわかった。睡眠効率も平均は下回るものの、早期にするほどではない。途中覚醒の比率が大きいが、これは慣れない検査によるもの。レム睡眠とノンレム睡眠のバランスもこれという問題はなく、そして、疑っていた脚のピクつきもデータには現れなかった。しかし、それは日によってあったりなかったりするものらしく、SIT(自己申告の不快度チェック)からして、これからの治療はしばらく「むずむず脚症候群のせいでいい睡眠が妨げられているものとしよう」ということだった。

なんというか、ものすごく肩の力が抜けてしまった。安心したのではなくて、八方塞がり感が否めないからだ。実は検査の一ヶ月前に脚のむずむずを鎮める薬を出されていて、そこであまり効果がないことがわかっていた。この検査に大いに期待してしまっただけに、結果には拍子抜けさせられてしまった。

もう四千字も書いているらしいのでここら辺で適当にしめておきたい。僕はこれからも治療を続けていくことになると思うのだけど、人によっては「これまで睡眠のことで悩まされて来たけど、この検査でこういう結果が出てこういう薬を投薬したらひょろっと治ってしまった」みたいなことがあるかもしれないんだよね。だから睡眠のことでどうしようもなく困っている人にはこの検査を受ける選択肢は大いにあっていいと思ってる。ただし、期待しすぎてしまうのも毒だった。(一泊4万円もするんだもの…)今の僕は、また、以前のようにどうしたらいいのかわからなくなっています。

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