どうもこんにちは。映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を見てきました。公開初日に見に行ったのだけれど、座席はかなり空きがあった。感想行きます。
- 映画の情報
- 主な登場人物
- 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」あらすじ
- 映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』感想
- 作画がいい。最高
- ストーリー(結末までのネタバレ)+感想
- 小さい子供に見せられるか?
- 制作はシャフト
- なぜ「打ち上げ花火〜」は酷評が目立つのか
- じゃあどんな作品なの?個人的に考える見所ポイント
- まとめ
- 音楽について
- 本・原作について
映画の情報
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
監督:新房 昭之
脚本:大根 仁
原作:岩井 俊二
制作:シャフト
配給:東宝
原作は『Love Letter』『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二。脚本は『モテキ』『バクマン。』の大根仁。刺激的な作品の数々で観客を魅了し続ける二人が綴るのは、“繰り返される夏の一日”を描くラブストーリー。総監督を務めるのは社会現象化した『化物語』『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之。独創性溢れる演出と映像表現でアニメ界に多大な影響を与える奇才が、アニメーションスタジオ「シャフト」と最強タッグを組み、イマジネーション豊かな世界を紡ぎ出す。
声の出演は、話題作への出演が相次ぐ広瀬すず。声優初挑戦となる菅田将暉。同世代のなかでも圧倒的な人気・実力を誇る二人のほか、声優界のトップランナー・宮野真守、国民的女優のひとり、松たか子と、ジャンルの垣根を越えた豪華キャストが集結。
そして切なくも美しいメロディでラストを飾るのは、本作のためのコラボレーション、“DAOKO×米津玄師”による主題歌「打上花火」。
「もしも、あのとき…」「もう一度、時間を戻せたら…」
2017年夏、最高峰のスタッフ・キャストが、未体験の恋の奇跡を打ち上げる。
元々は、1991年にフジテレビの「if もしも」というテレビ企画で制作されたドラマでした。(世にも奇妙な物語の姉妹番組)番組は、AとB、どちらの選択肢を選ぶか?というような形の進行で、中でも「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は人気を博し、それが1995年に短編映画化。そして、2017年、「初のドラマ原作作品のアニメ化」として、アニメ映画が公開された、という感じ。
主な登場人物
島田 典道(CV:菅田将暉)
引用:「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 - YouTube
なずなに密かに想いを寄せる男の子。
声は人気若手俳優の菅田将暉。ここがまあ作品のネックになってたりもするんですが、本作が声優初挑戦ということで、そんな責める気にもなれないです。
中一男子の初々しさは感じられたので、普通に満足っちゃ満足。
及川 なずな(CV:広瀬すず)
引用:「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 - YouTube
典道に、密かに想いを寄せる女の子。
母親の男癖の悪さに振り回され、夏休み明けには転校することに。
声は広瀬すず。めちゃくちゃ色っぽいです、中一なんだけど。あざとくて最高。
安曇 祐介(CV:宮野真守)
引用:「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 - YouTube
典道の幼馴染であり、親友的存在。
典道と同じく、なずなに想いを寄せる。つまり恋のライバル。
声は宮野真守。大好きです。余談だけど、以前星野源のANNに出演された際は神回だった。
その他の登場人物
なずなの母親役に松たか子、典道達のクラスの先生役に花澤香菜、典道の友人である純一役に浅沼晋太郎、和弘を豊永利行、稔を梶裕貴、とかなり豪華。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」あらすじ
もしも、あのとき…
夏休み、とある海辺の町。花火大会をまえに、「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?」で盛り上がるクラスメイト。そんななか、
典道が想いを寄せるなずなは母親の再婚が決まり転校することになった。
「かけおち、しよ」
なずなは典道を誘い、町から逃げ出そうとするのだが、母親に連れ戻されてしまう。
それを見ているだけで、助けられなかった典道。
「もしも、あのとき俺が…」
なずなを救えなかった典道は、もどかしさからなずなが海で拾った不思議な球を投げつける。
すると、いつのまにか、連れ戻される前まで時間が巻き戻されていた…。
何度も繰り返される一日の果てに、なずなと典道がたどり着く運命は?
繰り返す、夏のある一日。
花火が上がる時、恋の奇跡が起きるー
簡潔にすると、
夏休みの登校日に、クラスメイトが「打ち上げ花火って、丸いの?平らなんじゃね?」って話題で持ちきりになってる中、主人公の典道となずながかけおちするために登校日を何度もやり直す
っていう話です。出やがったなタイムリープ!実際映画館で、「またか〜!!!!!」って思ったよ。思った。最近アニメ業界タイムリープゴリ押しだなぁ!!!って思った。
でもね、物語の肝はそこにない気がした。それは後々書いていくとして、もう少し内容に踏み込んだあらすじが読みたい人はこっち。
夏休みの登校日。中学生の典道と祐介は、なずなの前で競泳対決をすることに。典道は、競争のさなかに水中で不思議な玉を見つける。一方祐介は競争に勝ち、なずなに花火大会に誘われる。放課後、皆が打ち上げ花火のことで盛り上がっている中、なずなが母の再婚に悩んでいることを知る典道。どうすることもできない自分に典道はもどかしさを感じ、ふいに玉を投げると、なぜか競泳対決の最中に戻っていた。
映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』 - シネマトゥデイ
映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』感想
ってわけで感想行きます。ネタバレあり。
作画がいい。最高
これはね、最高。
最近のアニメ映画は本当にすごい。景色の描写は圧巻の美しさ。青空だとか、海、他にも木々が茂っていたり、そういう「夏の美しい部分」が凝縮されていて、文字通り息を飲みます。まじで。
何よりも花火が美しかった。水だとか、ガラスも透き通ってた。ガソリンスタンドに立っているような、旗あるでしょ?広告の。そういったところまで忠実に描かれていて感心しました。
気になった部分としては、学校に向かう主人公含めた仲間たちが、自転車やスケボー、キックボード(?)で移動しているシーンがあったんだけど、そういったスッと動くシーンにところどころ3DCGが使われてたこと。世の中には、3DCGを使ったアニメ作品がたくさんあるんだけど、毎度いちゃもんをつける人がいて、「ラブライブ!のライブシーンが無理!」だとか「亜人の作画いや!」だとか。
そういう人は気になるかもしれない、という程度です。
ストーリー(結末までのネタバレ)+感想
がっつりネタバレしてるのはここだけなので、これから見たいって人は、ブンッ!ってスクロールしてね。
典道:菅田将暉
なずなが好き。
なずな:広瀬すず
かわいい。そしてかわいい。
祐介:宮野真守
典道の親友。典道に、「今度なずなに告白する!」と宣言。ライバル的存在。
なずなママ:松たか子
3度目の結婚を理由に、嫌がるなずなを転校させようとする。
主要なのはこの辺り。主人公たちは中学1年です。
夏休みの登校日。母の再婚のため、夏休み明けには引越しすることになってしまうなずなが、登校中に不思議な色をした玉を見つける。
クラス(というか典道を含む男友達)の話題が「花火は横から見たらどうなのか」で持ちきりの中、プールの掃除当番である典道と祐介は、プールサイドにいるなずなを見つける。2人とも想いを寄せているので、なんとも言えない状況に。
典道と祐介がクロール競争をしようとしているところになずなも参戦。
「勝ったらなんでも私のいうこと聞いて。」
勝ったのは祐介。主人公の典道は、水中のなずなに見とれて、ターンの際に足を飛び込み台にぶつけてしまう。勝った祐介になずなは「今日の花火大会、一緒に行こう。家まで行くから待ってて」って言う。
ドキドキする祐介なんだけど、友人の間では「花火を横から見るために灯台まで行こう」って言う予定があるので、なずなの約束をすっぽかして家を出てしまう。おまえ…。
祐介の家は医者。祐介の紹介をもらって、足の怪我を治しに来た典道は、ベンチで待つ浴衣を着たなずなを見つける。
「祐介は来ないよ。」
なずなと祐介は外に出て歩く。なずなはどうやら家出をする予定らしい。そんな話をしていたら、なずなの母登場。
「なずな!戻ってきなさい!!!」
嫌がるなずなを引っ張って連れ戻しに着た母親。
典道は突っ立っていることしかできなかった。ここで祐介がした過ちに怒りを抱く。偶然通りかかった祐介はじめとする友人の集団に遭遇、祐介に殴りかかる。 取り残されたなずなの荷物から転がってきた、あの不思議な玉をぶん投げる祐介。
「もしもあの時クロールで勝っていたら…!!!!!」
ここでタイムリープ。プールの瞬間に戻る。
次の世界では典道がクロールで勝ち、なずなと一緒になる。祐介をはじめとする友人に言い出せなかった典道に、苛立ちを覚える祐介。
「俺だって好きなのに」
母親から逃げたいなずなは、典道に「かけおち」を提案。なずなと駅まで移動するも、電車に乗り込む前に、追いかけてきたなずなの母と再婚相手に見つかってしまう。嫌がるなずなを連れて帰ろうとする二人。阻止しようとした典道は、新たななずなの父にぶん殴られる。
連れて行かれたなずな。失敗。その後祐介達と合流。灯台へと急ぐ。ここで祐介に「夏休み明けに、なずなに告白するから」と打ち明けられる。そして、灯台から見えた花火は、平らだった。
「こんなはずじゃない」典道は気づく。「こんな世界、おかしい!!!」と、玉を投げてタイムリープ。「もしもあのとき、電車に乗れていたら…!」
電車を乗る前に戻る。
次の世界では、パンチをかわし、電車に乗り込むことに成功。電車の中は、二人の世界だった。しばらくして、電車が踏切に差し掛かった際、踏切待ちの祐介達と目があってしまう。
「あいつら、何やってんだ?付き合ってるの?」
そして、祐介達は線路を走り、追いかけてきた。同時に、なずなの両親も、自動車で追いかけてきた。(線路と並行した道路)
「次に停車した駅で捕まっちゃうかも…」
そうはさせない!と典道は決意。停車駅で線路を超え、坂を下り灯台を目指す。てっぺんまで駆け上がるなずなと典道。二人は一番上まで登ることができた。話し合う二人。そこに、てっぺんまでたどり着いた祐介が二人を突き落とす。
海まで真っ逆さまのなずなと典道。電車で、祐介らにバレなければ…!と、典道は海に向かって玉を投げる。タイムリープ。
電車の中に戻る。
ここから、幻想的な世界に突入。海の上を走る電車。停車したのち、海へと向かう二人。世界は、あべこべだった。おかしいことに、二人は気づく。
「もう一度やり直したら、どうなるんだろう。また二人でいられるのかな」
典道は再度タイムリープを試みるも、なずなが止める。
「これでいいの」
なずなは海へ飛び込んだ。
海辺に転がっていた、なずなの玉を、偶然通りかかったベロンベロンの花火師が発見。持っていた円筒の発射するものに、不思議な玉を入れ込み、打ち上げた。玉は花火のように割れ、そこら中に散った。キラキラしたものが、典道達に降り注いだ。
最終的に打ち上がった花火は、おかしな形だった。丸でも平らでもなく、美しいけれど、現実的でない。
降ってくるキラキラを掴むと、キスする二人がそこに描かれていた。飛び込む典道。 なずなと典道が、水中でハグ、キスをする。
そんな一夏の思い出を胸に残した典道たちに、新学期がやってくる。なずなはいない。点呼をする担任の先生が、典道の名を呼ぶも、教室に典道の姿はなかった。
みたいな、切なくも美しいストーリー。
ここからちょっとした感想
すごーい「ひねり」みたいなのはなかった。なんだか最近のアニメ映画は毎度『君の名は。』と比べられがちだけれど、全然別物だから。今作はあくまで原作ありきの映画化。
全体的に、単調な感じで「起伏がない!」っていうのはわかる。タイムリープの玉も、「ニワトリが先か卵か先か」論に行きつくようで、まあ微妙という感じです。
でも、原作の方で作者がこのノベライズは映像ありきの作品である 、って述べているみたいで、だったら逆もしかりじゃん?って思った。原作読まないとわからないところがあるはず。未読なのでいつか読みたい。
もしも玉についての考察
引用:「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 - YouTube
おまけ程度に。なずなが拾って、典道の手に渡った「タイムリープをする力のある玉」。これは、父からの贈り物、と考えるのが妥当なのかなぁ。
夏休みの登校日。なずなは父親が入水自殺した海岸に立ち、この町を離れるに当たっていろんな思いを馳せていたのだと思います。輝く玉を見つけたのは、このタイミングなので。
小さい子供に見せられるか?
ビミョーなライン。ここで?っていう唐突な下ネタがいくつかあって、目立ちました。
映画が始まってすぐに、友人同士で
「先生にセクハラする??」だとか、広瀬すず演じるなずなが、「ビッチ」だとか「水商売」みたいな発言をしていたので、一応注意が必要かもしれないです。個人的に、なぜあれをぶち込んだのかよく分からなかった。
制作はシャフト
これはすぐわかった。物語シリーズは好きで見ていたので、なずながガハラさんにかぶる点が多々あり。新房監督・キャラデザが渡辺明夫ってことはまあこうなる。いい!
完全にシャフ度
(シャフ度とは:シャフト制作のアニメで多く見られる演出。顔の角度がリアルなの)
って思う瞬間もいくつかありました。楽しい!
なぜ「打ち上げ花火〜」は酷評が目立つのか
Twitterだとか、レビューサイトを除くと、「つまらない」「寝てたほうがマシ」みたいな意見が目立ちます。っていうかそればっかが拡散されて、よくない状況になってる。
この理由は、最近のアニメ映画の流れと、この作品のギャップにあると思ってます。
君の名は。じゃない
「君の名は。の方が全然面白い」って意見もあったんだけど、比べるのはナンセンスすぎるよ…。アニメ映画、というと、もともと「オタクが見るもの」みたいな流れがありました。(劇場版けいおん!とかめちゃくちゃ泣いた)だけど、最近細田守監督だとか、新海誠監督による、ライトな層を取り込む素晴らしい映画によって、アニメ映画を見る層がウンと広がった気がします。
この最近の流れで、アニメ映画のイメージがグッと固定されてしまってる。
「作画がすごい」「泣ける!感動」「展開がすごい」みたいな
これらの期待を抱いた人たちは、まず間違いなく「打ち上げ花火」は微妙に感じたと思います。なぜなら、「打ち上げ花火」には、感動的な要素を詰め込んだものでなければ、展開に力を入れた作品ではないから。
個人的には「映像作品のようで、文学的なシーンを詰め込んだ」そんな作品だと思ってます。
独特のシャフト演出に耐性がない
ぶっちゃけこれの要素大きくないか?「僕のヒーローアカデミア」が好きな子が、次に「化物語」見よう!って思ったら、見始めたらきっと、「あれ?」って思う。クセがあるんです。(化物語:シャフト制作のアニメ)
建物の感じや、若干デフォルメ化したキャラ、さっき書いたシャフ度なんかもそう。全体的にエッジが効いていて、それがアジなんですが。
なんか違う…と思う層がいても不思議じゃない。
じゃあどんな作品なの?個人的に考える見所ポイント
引用:「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 - YouTube
登場人物は、住んでる田舎も、持ってる世界観も、まあ小さいわけで、そこから飛び出そうとする青春を見た。
なずなの母は男グセが悪く、それに巻き込まれてしまうなずなと、なずなを想う典道と祐介。2人ではどうにもできないんだけど、がむしゃらに大人へと近づこうとする。周りに比べて一段と大人びたなずなに魅力を感じつつ、劣等感も感じている典道が、「今日だけは。花火大会だけは。」と背伸びをする様。
中学1年ではどうにもできない大人の都合に葛藤しながら、「if もしも」の世界を介して、成長していく、淡く切ないラブストーリーだと思ってる。
大人になるのは、難しいよ。
もちろん作画も美しいんだけど、小説を読むときのように、登場人物の感情を捉えながら観ると、随分と魅力的な作品に映ると思います。
まとめ
あざといなずな(広瀬すず)と、作画を楽しもう 。以上です。
p.s.
午前中にカッパを着て映画館に向かったんだけど、帰る頃には晴れていて、日光がギラギラしてて。帰り道をバイクで走り抜ける感覚が妙に気持ちよかったので、この作品が思い出深いものになってしまった…。
音楽について
打上花火

エンディング素晴らしかった
▼初回限定・アマゾン限定版。1620円(8/19現在)
瑠璃色の地球
劇中歌となっている「瑠璃色の地球」。
電車で二人きりのシーンで歌われてる。広瀬すずが歌っているんだけど、とても好きです。
サントラ
映画にマッチしてて、感動する場面があった。夏っぽくていい。
▼サントラはこれ。
本・原作について
原作小説
大根仁氏の書き下ろしです。映画本編の小説版。
小説
打ち上げ花火、下から見る(断言) pic.twitter.com/gIrOLgPcUb
— けいいち (@keiichi1021) 2017年8月18日
ツイッター、やってます。フォローよろしく。